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日本財団

社員の想いを実現させていく。その積み重ねが企業の風土を変える 凸版印刷株式会社
常務取締役 新井誠様

震災後、若手社員が中心となって積極的に復興支援に取り組んできた凸版印刷。資金、モノ、ノウハウに続き、9月からは人材の力で東北復興に貢献すべく社員2名を被災自治体に派遣。企業としてどのような意思決定があったのか、新井常務にお聞きしました。

震災を機に実感した社員の社会貢献意識の高さ

2011年7月から2012年3月まで各地の仮設住宅をまわった移動図書館「ブックワゴン」

2011年7月から2012年3月まで各地の仮設住宅をまわった移動図書館「ブックワゴン」

震災後、当社は募金活動や各種ボランティア活動の他に、仮設住宅を巡回する移動図書館「ブックワゴン」プロジェクトを行いました。このプロジェクトは若手社員の声から生まれ、そして1週間交代の現地運営スタッフに300名を超える社員から応募がありました。改めてグループ会社を含む全社から復興支援に関わりたいと思う社員が多いことに驚かされました。

1年半のブックワゴンプロジェクトは昨年終了しましたが、終了後も運営を経験した社員が集まり、今後被災地のために何ができるか話し合う場が持たれています。さらに、部門や年次を越えて自分たちの力で社内を良くしようという、プロジェクトも生まれました。

震災を機に、明らかに社内風土が変わってきました。いや、これまで隠れていたものが表に現れてきたのでしょう。社員一人ひとりの課題解決・社会貢献への熱い想いが社内に伝播し、膨らんでいるのを感じました。

本業を活かした貢献と人材育成を。
被災地に社員2名を派遣

そのような経緯があったので、復興庁からいただいた「復興人材プラットフォーム」のお話は、非常によいタイミングでした。復興支援の形として、本業の力を活かした人材による支援は願ってもない新たな挑戦の機会です。また、東北復興にも本質的に、そして継続的に貢献できることに深い意義を感じています。

今回は東北出身など縁のある社員20名程に限定して声をかけ、派遣先の選択も含めて希望を募りました。結果多くの希望者の中から2名に絞り、それぞれ福島市と仙台市への派遣が決定しました。福島市ではJRのディスティネーションキャンペーンに絡み、観光事業を担当します。仙台市では震災メモリアル事業と、地下鉄東西線沿線のまちづくりを担当。企画立案、プロモーション、マーケティングといった、当社の得意分野がより活かせる案件を選びました。

派遣するのは、福島へは37歳、仙台へは27歳、ともに主要クライアントを担当していた営業のエース的人材です。彼らは当社の多様なリソースを活用して、施設・印刷物・イベントなどを、トータルに提案してきました。こうした経験がきっと活きるのではないかと思っています。

ただ、社員の派遣と言っても、私どもは大切な息子・娘を送り出す心持ちです。在京はもちろん、東北の東日本事業本部も含めて、バックアップする体制は整っているので、安心して定期的に報告をしなさい、何か困ったらすぐに言いなさいということを伝えています。本人たちの、東北の役に立ちたいという気持ちが全ての源泉ですから、それが失われては意味がない。彼らが心身共に健全で伸び伸びと活躍できるように、サポートしていきたいと思っています。

社員一人の意識改革が
やがて企業風土をつくる

社員の思いを形にする場を提供したい、と新井常務。左は復興プロジェクトを担当する上原部長

社員の思いを形にする場を提供したい、と新井常務。左は復興プロジェクトを担当する上原部長

当社では今回の派遣の意味を、CSRやビジネスにつなげることよりも、社員育成の機会として捉えています。もちろん新しく地域と関係を築けるのは具体的メリットなのですが、さまざまな人とのコミュニケーションの中で答えのない課題に挑戦することによる、人間的な成長に期待しています。

課題に対してまず「変えられる」「解決できる」と前向きに捉え、実現のためにあらゆる手段を考える人材。意見の違うさまざまな人と協力してやり遂げられる人材。このような人材が、企業風土を醸成し、最終的にはイノベーションとしてビジネスに活かされる形で返ってくるのだと思います。

印刷業という業態であるがゆえ、どうしても社員が受け身になりがちでしたが、変わらなければ企業としても未来がない。経営陣からの大号令ではなく、前述のブックワゴンのように、社員1人ひとりの社会貢献意識と自発的な行動が非常に大事だと思っています。

その意味でも、東北の復興支援にこのような社会的意義の大きい関わり方をさせていただけることは大変にありがたいことです。社内にも積極的に活動状況をシェアし、意識を高めていきたいと思います。今後も、こうした活動の積み重ねにより、やがて社員皆が会社に誇りを持ち、社会の役に立つのだ、自分たちで変えていけるのだという、自由で活気ある企業風土がつくられていくことを願っています。

(2013年9月5日取材)

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